今年でコンクール開催8年目を迎えたKura Master。常に新しいことに挑戦し続けるのは、Kura Masterの信念の1つです。毎年新しい取り組みを行なってきましたが、5月27日(月)に開催した2024年度Kura Masterコンクールではこれまで以上に大きな変化がありました。今年ならではのトピックスを3つ以下にご紹介します。
1. フランスの4つの学校の生徒さん達による運営協力
まず1つ目のトピックは、Kura Masterで初めてフランスの学校の生徒さんが運営に協力してくださったことです。
ソムリエ学校、バーマン学校など、フランスの4つの学校から総勢37名の学生の皆さんが集まり、Kura Masterコンクールやマスタークラス、そして試飲会の運営にご協力いただきました。将来のトップソムリエ、トップバーマンとしての活躍が期待される生徒さん達が目を輝かせて各役割に取り組んでくださりました。
そして、そう遠くない未来のKura Masterコンクールの審査員としての活躍にも期待が高まります。
Lycée Hôtelier François Rabelais Gugnyの生徒の皆さん:
Kura Masterコンクールのサービスとマスタークラスの準備をご協力いただきました。
Campus de la Gastronomie Durable BelliardとLycée Santos-Dumontの生徒の皆さん:
今年初めて設置されたShochu Barにて2種類の焼酎カクテル(審査員長クリストフ・ダヴォワンヌ氏が考案した、芋焼酎をベースにしたカクテル)を作成・提供いただきました。また、マスタークラスの準備もお手伝いいただきました。
ISMACの生徒の皆さん他:
Kura Master試飲会の準備から片付けまで運営のご協力をいただきました。
2. ソムリエ、バーマンの垣根を越えた合同審査員グループでの評価
今年のコンクールで大きなチャレンジとなったのは、審査員グループにソムリエとバーマンを混合したことでした。
Kura Masterが大切にしていることの一つ、フランスらしさ。フランスでは今、日本酒がバーでカクテルに使われ、焼酎がレストランでも出され始めているというこれまでにない変化が起こりつつあります。
Kura Masterではこれまではソムリエが日本酒、バーマンが焼酎・泡盛を審査していましたが、今年その垣根を無くしソムリエも焼酎・泡盛を審査し、バーマンも日本酒を審査するという試みを行いました。
結果は、審査員皆から好評で、審査委員長クリストフ・ダヴォワンヌ氏も「ソムリエとバーマンを混ぜたことにより素晴らしい連携、活発な意見交換、そして新しい発見が生まれました。」とコメントしています。
3. 日本の伝統的な「酒」✕ フランスの伝統的な「食」のペアリング賞
今年で第3回目となった、食とのペアリングを評価する特別賞「アリアンス ガストロノミー賞」。今回は、伝統的な製造方法によって作られるクラシック酛部門の日本酒と、フランスの伝統的な日常食であるシャルキュトリ(ハムやソーセージなどの加工肉食品の総称)との相性を評価しました。このシャルキュトリは、精肉部門で国家最優秀職人章(M.O.F.)保有者のロマン・ルブフ(Romain Leboeuf)氏に用意いただき、ルブフ氏には特別審査員も務めていただきました。
審査員たちはフランスの日常食の新しい楽しみ方を発見すると共に、ペアリングにおける日本酒の可能性を体験しました。フランスで年々、加工肉の消費が減少する中、新しい味わい方として、日本酒との相性を通して、この伝統的なフランスの食材の魅力を再発見するという目的にも注目が集まりました。
また、今年のマスタークラスもテーマはシャルキュトリとのペアリング。日本酒、熟成酒、黒糖焼酎をシャルキュトリに合わせるという3つのテーマで開催しました。
フランスの地で行うフランス人のためのコンクール、Kura Master。これからもフランスらしさを大切にした運営を目指して参ります。