Kura Master 日本ワイン 審査会 2025

審査会

第1回となるKura Master日本ワインコンクールが、2025年5月26日(月)パリ市内(会場:エスパス・シャラントン)にて開催されました。記念すべき初回となる今回は「甲州部門」1部門に絞っての開催となりました。

Concours Kura Master 2025

Concours Kura Master 2025

本コンクールは、日本酒や本格焼酎・泡盛、梅酒の品評会に続く新たな試みとして、日本ワインの個性と可能性をフランスのソムリエやワイン業界のプロフェッショナルに広く知っていただくことを目的としています。

審査員には、ローズウッドグループ ヨーロッパのエグゼクティブ シェフ・ソムリエ、2022年最優秀ソムリエ賞とMOFソムリエ(国家最優秀職人章)に輝いたグザビエ・チュイザ (Xavier Thuizat) 氏をはじめ、7名のMOFソムリエや、リッツ・パリ、シュバル・ブラン・パリ、マンダリンホテル等の5星ホテルやミシュラン3星フランス料理店グループ、アンヌ・ソフィー・ピックなどで勤務するトップソムリエ、レストランオーナーら、総勢135名が参加し、日本ワインコンクールでは1部門31点の審査に挑みました。

Concours Kura Master 2025
Concours Kura Master 2025Concours Kura Master 2025

審査は1テーブル5〜7本のワインを5セッション(1セッション 約30〜40分)で行われました。決戦に通過した5点の日本ワインの中から優秀賞3点 そして最優秀賞である審査員賞1点が選ばれました。

午後の部は加納雄大ユネスコ日本国政府代表部特命全権大使のお言葉から始まりました。ユネスコでは、2024年12月に第19回無形文化遺産保護条約政府間委員会において、日本の「伝統的酒造り」が無形文化遺産に登録されました。

加納雄大ユネスコ日本国政府代表部特命全権大使

「本日はKura Master協会の主催するレセプション及びマスタークラスに参加することができ、誠に光栄に存じます。昨年も同じイベントに参加させていただきましたが、今年は湯崎英彦広島県知事をはじめ業界関係者の皆様やプレスの方も含め多くの方にご出席いただき、更なる盛況ぶりとなっており、大変心強く、そして嬉しく思っております。また、今回から日本ワインコンクールが始まったと伺っており、こうした新しい取組がKura Master コンクールの益々の発展につながることを期待しています。
ユネスコでは、無形文化遺産保護条約に基づき、各国の文化的価値を次世代に継承する活動を推進していますが、日本が誇る伝統的酒造りがその一環として認められたことは、大変意義深いことです。今般の登録により、2013年の「和食;日本人の伝統的な食文化」の登録から10年超を経て、日本の飲食文化を世界に発信する新たな機会を得ることになりました。
しかしながら、無形文化遺産への登録は一つの節目にすぎません。今後は、日本の酒文化をより広く認知してもらうための長期的な取り組みが重要となります。
本年は大阪・関西万博でフランスからも多くの観光客が日本を訪れることが見込まれます。多くの皆様に来日いただき、日本の飲食文化をぜひ本場で体験し、こうした文化を、経験として、あるいはお土産として、フランスにも持ち帰っていただけることを期待しています。
引き続き、日本の酒造業界や国際的な専門家、そしてKura Master協会をはじめとする関係者の皆様と緊密に連携しながら、さらなる普及活動を進めていきたいと考えています。」

広島県知事・湯崎英彦氏

続いて開催されたマスタークラスでは、広島県とのコラボレーションにより、日本酒と磯の風味をテーマに開催され、日本から来仏された広島県知事・湯崎英彦氏のスピーチで幕を開けました。

知事は、広島の豊かな風土や歴史、そして地酒の魅力について情熱的に語られ、会場の関心を集めました。

紹介された2セッションの中で広島の日本酒2銘酒と合わされた料理は、魚介類のMOF*称号を持つソニア・ビシェ (Sonia Bichet) 氏によって考案、調理されたものが提供されました。

MASTER CLASS avec Sonia Bichet
Concours Kura Master 2025Concours Kura Master 2025

第一セッションでは、数々の有名シェフのレストランへ卸している地中海の漁師、マチュー・シャペル(Mathieu Chapel)氏(Côté Fish 代表)の地中海シャコ(galères méditerranéennes)をほんの少し火を入れ、その上にキャビアを載せたものに、白鴻 純米大吟醸50「沙羅双樹」盛川酒造株式会社)を合わせたものが提供されました。

第二セッションでは、広島からフランスへ届けられた牡蠣を茹でて、日本酒を使って調理されたサバヨンソースを添えられたものに、龍勢 ゆらぎの凪藤井酒造株式会社)が合わされました。

Concours Kura Master 2025

本格焼酎・泡盛コンクール審査員長クリストフ・ダヴォワンヌ(Christophe Davoine)氏からの閉会の挨拶では、この度後援に新たに加わったAssociation des Barmen de Franceの代表ルネ・デルバンクール(René Delvincourt)氏に代わって以下のようにコメントをしました。

「本格焼酎・泡盛審査員長として、またフランス・バーマン協会(Association des Barmen de France)会長の代理として、この場にて皆様にお話しできることを、誇りに思い、深い感謝の気持ちを申し上げます。皆様ご存知の通り、私はルネ・デルヴァンクール(René Delvincourt)ではありません。彼が本日欠席していますことをお詫び申し上げるとともに、皆様への挨拶を託されております。

フランス・バーマン協会を代表し、Kura Master の後援を公式にできますことを大変嬉しく思います。
このコンクールは単なる競争の場ではありません。文化と文化の出会い、日本の卓越した技術とフランスの技術の融合、そして一滴一滴に込められた長い伝統の伝承の場です。

このコンクールはまた、素晴らしい創造の場でもあります。本格焼酎や泡盛の一本一本に、豊かで繊細な香りの世界、優美なテクスチャー、そしてグラスを通じて語られる物語が詰まっているからです。

情熱と努力の結晶である製品を我々に託してくださったすべての生産者の皆様に、心より感謝申し上げます。多様なバックグラウンドを持ちながらも、見識と感受性、そして真摯な姿勢をもってこの大会に貢献してくださった審査員の皆様にも、深く感謝いたします。

フランスにおける本格焼酎・泡盛の認知度向上への道のりはまだ長いかもしれませんが、すでにしっかりとその道は拓かれています。我々は、情熱・謙虚さ・好奇心をもって、この道を共に歩み続けてまいります。
最後に、本大会の運営に携わったすべての関係者と、当日を支えてくださったすべてのボランティアの皆様へ、心よりお礼申し上げます。」

日本酒コンクール審査員長であるグザビエ・チュイザ氏、日本ワインコンクール審査員長のパズ・ルバンソン氏らは今回の審査会について以下のようにコメントしています。

グザビエ・チュイザ氏

「2025年のKura Masterを無事に終えることができました。
とても素晴らしい雰囲気の中、過ごすことができ、まるで魔法のような時間でした。
来年、記念すべき第10回目のコンクールでお会いしましょう。
きっと忘れられない、特別な会になることでしょう。」

パズ・ルバンソン氏

「今回の新しいエディションも素晴らしい一日で締めくくることができました。
日本酒、本格焼酎・泡盛、梅酒、そして日本ワインまで試飲しました。
日本ワインが加わったのは今回が初めてということで、忘れられないエディションになったと思います。
本当に素晴らしい体験でした。
ご参加いただいた全てのソムリエの皆様、ジャーナリストの皆様、そして審査員として来場された皆様に感謝申し上げます。
完璧なタイミングで進行できたのも、運営委員の皆様のおかげです。
何よりも、参加者全員が情熱を持ち、素晴らしいコメントをたくさん寄せてくださいました。
審査のテーブルでも、やはりとても素敵な一日だったという声が多く聞かれました。
Kura Masterはいつもそうですが、今回も特に和酒に情熱を持つ方々が集まる、本当に素晴らしい時間でした。」

審査会終了後にはソムリエをはじめとするレストラン関係者や酒販店などのプロの方々や一般に向けた試飲会が行われました。

この試飲会には審査を終えた審査員らも含め約500名が参加し、盛況のうちに2025年度のKura Master が終了しました。

2025年度 日本ワインコンクール 受賞酒発表

2025年度 審査員