2024年度の最高賞であるプレジデント賞受賞酒
Kura Master運営委員会(本部:フランス・パリ、代表:宮川圭一郎)は、2024年10月2日14時(日本時間2日21時)在フランス日本国大使公邸に於いて、Kura Master2024日本酒コンクール、および本格焼酎・泡盛コンクールそれぞれの最高賞である「プレジデント賞」を発表致しました。
日本酒コンクールでは、6部門1,223銘柄から、小西酒造株式会社(兵庫県)「超特撰白雪伊丹諸白大吟醸」が最高賞のプレジデント賞に輝きました。また、本格焼酎・泡盛コンクールでは、8部門197銘柄から、株式会社松藤(沖縄県)「松藤 粗濾過44度」が本年度のプレジデント賞を獲得しました。Kura Masterではこれまではソムリエが日本酒を、バーマンが本格焼酎・泡盛を審査していましたが今年はその垣根を無くしてソムリエも本格焼酎・泡盛を審査し、バーマンも日本酒を審査するという試みを実施し、MOF(フランス国家最優秀職人章)9名を含む123名のプロフェッショナルにより審査が行われました。
- Kura Master 2024 日本酒コンクール プレジデント賞
- Kura Master 2024 本格焼酎・泡盛コンクール プレジデント賞
- 梅酒コンクールの審査員賞表彰
- アリアンス ガストロノミー賞の表彰
- 授賞式概要
- 審査委員長からプレジデント賞受賞酒についての評価コメント
- 下川眞樹太 駐フランス日本国特命全権大使 ご挨拶
- 加納雄大 ユネスコ日本国政府代表部特命全権大使 ご挨拶
- 参考情報
Kura Master 2024 日本酒コンクール プレジデント賞(中央)
Kura Master 2024 日本酒コンクール プレジデント賞(中央)と各カテゴリーの審査員賞5銘柄
Kura Master 2024 本格焼酎・泡盛コンクール プレジデント賞(中央)
Kura Master 2024 本格焼酎・泡盛コンクール プレジデント賞(中央)と各カテゴリーの審査員賞7銘柄
梅酒コンクールの審査員賞表彰
今年で2回目となる梅酒コンクールにおいて、二次審査に進んだ銘柄から審査員賞に選出された、榮川酒造株式会社(福島県)「UMESAKE8年熟成」を授賞式にて表彰致しました。
Kura Master 2024 梅酒コンクールの審査員賞
アリアンス ガストロノミー賞の表彰
今年で3回目となった、食とのペアリングを評価する特別賞「アリアンス ガストロノミー賞」には株式会社車多酒造(石川県)の「天狗舞 山廃仕込純米酒」が選出され、授賞式にて表彰を行いました。今回は、クラシック酛部門の日本酒と、フランスの伝統的な日常食であるシャルキュトリ(ハムやソーセージなどの加工肉食品の総称)との相性を評価しました。このシャルキュトリは、精肉部門で国家最優秀職人章(MOF)保有者のロマン・ルブフ(Romain Leboeuf)氏に用意して頂き、特別審査員も務めて頂きました。
Kura Master 2024 特別賞の「アリアンス ガストロノミー賞」受賞酒
特別審査員 ロマン・ルブフ氏のコメント(抜粋)
私の専門は肉のカットから調理まで、さらに広く言えばフランス料理を前提にした精肉です。ご想像の通り、私はワインの方が日本酒よりも身近に慣れ親しんでいます。しかし、Kura Masterへの参加を依頼された際、新しい商品を発見し、フランスの肉やシャルキュトリーと日本酒の新しい組み合わせを試す良い機会だと私は考えました。そして実際、驚くほど相性が良いことに気づきました!私が日本酒とのペアリングで体験した美食的感動を、皆様にも私の商品を味わって楽しんでいただけたら幸いです。
授賞式概要
本年度の授賞式は、昨年に引き続き在フランス日本国大使公邸で行われました。Xavier Thuizat(グザビエ・チュイザ)審査委員長の開会の挨拶、そしてKura Master名誉会長 門司健次郎氏の言葉の後、下川眞樹太 駐フランス日本国特命全権大使からのご挨拶をいただきました。その後「審査員賞」受賞蔵元様の表彰を、また特別賞の「アリアンスガストロノミー賞」は、特別審査員を務めたロマン・ルブフ氏より直接、受賞蔵元様に表彰状が授与されました。最後に、日本酒コンクール、本格焼酎・泡盛コンクールそれぞれの最高賞である「プレジデント賞」を発表し、受賞蔵元様に表彰状と副賞のトロフィの授与を行いました。今年の授賞式では、加納雄大 ユネスコ日本政府代表部大使もご出席されたほか、例年より多くの審査員が自ら審査した出品酒の栄誉を讃える式典に参列し、挨拶やトロフィ授与に関わり、さらに華やかで交流を深めるものとなりました。
審査委員長からプレジデント賞受賞酒についての評価コメント
小西酒造株式会社「超特撰白雪伊丹諸白大吟醸」の評価コメント
「このお酒は、銀色を帯びた淡い黄色の色調で、輝きと優雅さに溢れています。モダンな日本酒らしく、香りはエキゾチックともいえる柚子の皮や青りんご、乾燥した植物、刈りたての干し草、さらに、白胡椒のような繊細なスパイスなどと、伝統的な要素が見事に融合し、豊かで複雑な香りがあります。口に含むと、鮮やかで生き生きとしたエネルギーが広がります。時間が経つにつれて口の中で存在感が徐々に増し、なめらかで繊細な触感に包まれます。余韻は長く、後味には洋梨やドライローズのつぼみのニュアンスもあります。非常に複雑でいくつもの要素が見事に調和しており、カメレオンのように多くの料理と素晴らしい相性を見せてくれるでしょう。一品を挙げるなら、まずは帆立の料理とのペアリングが特にお勧めです。」日本酒コンクール審査委員長 Xavier Thuizat
株式会社松藤「松藤 粗濾過44度」の評価コメント
「私がこの製品を選んだ理由は、何よりも目隠しをして味わったときの驚きと感動です。まるで違う世界へ連れて行かれたようで心が揺さぶられました。松藤は、毎年Kura Masterで高い評価を得ているお酒です。この賞を通じて、松藤様の素晴らしい仕事が称えられることを嬉しく思うと同時に、日本最古の蒸留酒のルーツを持つ沖縄の泡盛という個性的なスピリッツに光を当てられたことを光栄に思います。
この泡盛は必ずしも一般的な泡盛ではありませんが、スピリッツの多様性を示す良い例です。旨味、木の香り、キノコの香りなど、様々な風味を楽しむことができます。本当に素晴らしいです。」本格焼酎・泡盛コンクール審査委員長 Christophe Davoine
下川眞樹太 駐フランス日本国特命全権大使 ご挨拶(抜粋)
昨年に引き続き、公邸でKura Master授賞式を開催することができたことを大変喜ばしく思っております。
私も5月に、初めて審査会の現場に赴く機会を頂き、このコンクールがフランスを中心にヨーロッパなどから集まった一流のソムリエ達による真剣かつ厳選な審査によって成り立っていることを改めて実感いたしました。私自身、この公邸の食事会で多くの日本産酒類をお出ししていますが、たとえ料理がフレンチであっても、ワインの代わりに日本酒等を食事の最後まで飲み続けるフランス人のゲストが多くなってきております。
Kura Masterの日々の取組によって、このフランスの地において、日本のお酒の愛好家が着実に増えつつあることを確信しております。
加納雄大 ユネスコ日本国政府代表部特命全権大使 ご挨拶(抜粋)
第8回Kura Masterコンクールの各賞を受賞された皆様、誠におめでとうございます。
重ねて、審査員として名を連ねておられるソムリエ、ホテル業界、飲食業界の皆様をはじめ、多くのフランスの皆様に日本酒を愛好いただき、心から感謝申し上げます。
歴史と伝統を誇り、我が国の食文化の中でも重要な位置を占める日本酒、梅酒、焼酎、泡盛が、日仏両国の文化の橋渡しをしていることをたいへん嬉しく思っております。
ユネスコでは、2003年に、当時の松浦晃一郎ユネスコ事務局長の下で無形文化遺産保護条約が採択され、本条約に基づいて無形文化遺産の保護に取り組んでいます。
12月に、アスンシオン(パラグアイ)にて、本条約の政府間委員会の会合が開催されます。今年は、我が国の提出案件「伝統的酒造り」の審議が予定されている歴史的な年です。本件が無形文化遺産に登録された暁には、「伝統的酒造り」をさらに世界中に発信していきたいと思います。
本日の授賞式を機に、フランスさらには世界中における日本酒、梅酒、焼酎、泡盛のいっそうの振興が図られるとともに、日仏両国の文化的な交流がさらに促進されることを祈りたいと思います。
参考情報
- M.O.Fについて
Meilleur Ouvrier de France ※略称「M.O.F(エムオーエフ)」(フランス国家最優秀職人章)は、フランス文化の最も優れた継承者たるにふさわしい高度な技術を持つ職人に授与される称号。 - Kura Masterとは
2017年から開催されているフランスの地で行うフランス人のための日本酒コンクールです。審査員はフランス人を中心としたヨーロッパの方々で、フランス国家が最高職人の資格を証明するM.O.Fの保有者をはじめ、フランスの一流ホテルのトップソムリエやバーマン、カーヴィストまたレストラン、ホテル、料理学校関係者など飲食業界のプロフェッショナルで構成しています。2021年度から本格焼酎・泡盛コンクールを新設し、審査対象を拡大いたしました。