
Kura Master運営委員会(本部:フランス・パリ、代表:宮川圭一郎)は、2025年9月24日(水)在フランス日本国大使公邸に於いて、Kura Master2025日本酒コンクール、および本格焼酎・泡盛コンクールそれぞれの最高賞である「プレジデント賞」を発表致しました。
日本酒コンクールでは、8部門1,083銘柄から、八百新酒造株式会社(山口県)「雁木 純米大吟醸 鶺鴒」が最高賞のプレジデント賞に輝きました。また、本格焼酎・泡盛コンクールでは、8部門162銘柄から奄美大島酒造株式会社(鹿児島県)「浜千鳥乃詩 ゴールド」が本年度のプレジデント賞を獲得しました。
今年度は、7名のMOFソムリエを含む、リッツ・パリやシュバル・ブラン・パリ、マンダリンホテルといった5つ星ホテルや、ミシュラン星付きの名店で活躍する一流ソムリエやレストランオーナーなど、総勢135名が審査を行いました。
- Kura Master 2025 日本酒コンクール プレジデント賞
- Kura Master 2025 本格焼酎・泡盛コンクール プレジデント賞
- 各コンクールの審査員賞とアリアンスガストロノミー賞の表彰
- 授賞式概要
- 審査委員長からプレジデント賞受賞酒についての評価コメント
- 下川眞樹太 駐フランス日本国特命全権大使 ご挨拶
- 加納雄大 ユネスコ日本国政府代表部特命全権大使 ご挨拶
- 参考情報
Kura Master 2025 日本酒コンクール プレジデント賞

日本酒コンクール審査委員長 Xavier Thuizat
Kura Master 2025 本格焼酎・泡盛コンクール プレジデント賞

本格焼酎・泡盛コンクール審査委員長 Christophe Davoine
各コンクールの審査員賞とアリアンスガストロノミー賞の表彰
授賞式では、6月に発表した、各コンクールにおける各部門の最優秀賞である「審査員賞」及び食とのペアリングを評価する特別賞「アリアンス ガストロノミー賞」の表彰も行われました。

授賞式概要
本年度の授賞式は、例年同様、在フランス日本国大使公邸で行われました。本格焼酎・泡盛コンクール審査委員長 Christophe Davoine(クリストフ・ダヴォワンヌ)からの開会の挨拶の後、下川眞樹太 駐フランス日本国特命全権大使からのご挨拶をいただきました。その後「審査員賞」受賞蔵元様の表彰を、また特別賞の「アリアンス ガストロノミー賞」は、特別審査員を務めたソニア・ビシェ氏より、受賞蔵元様に表彰状が授与されました。最後に、日本酒コンクール、本格焼酎・泡盛コンクールそれぞれの最高賞である「プレジデント賞」を発表し、受賞蔵元様に表彰状と副賞のトロフィの授与を行いました。今年の授賞式では、加納雄大 ユネスコ日本政府代表部大使にもご参列頂いたほか、Kura Masterを後援して頂いているスポンサー様やジャーナリストなど約100名のゲストが受賞を祝しました。

審査委員長からプレジデント賞受賞酒についての評価コメント
八百新酒造株式会社「雁木 純米大吟醸 鶺鴒」の評価コメント
「まず、このお酒の持つ輝きや光沢、鼻や口に広がる煌めき、そして力強いエネルギーに深く感動しました。この日本酒は現代の流れに調和しており、私が特に評価したのは「爽やかさ」「飲みやすさ」「喉を潤すような味わい」です。
この銘酒は、フランス人をはじめ幅広い嗜好に応えることができるでしょう。とりわけ、口中に広がるエキゾチックな香りの豊かさ、繊細で爽やかな風味、そして喉の渇きを癒す心地よさがこの酒の真の魅力です。さらに、地中海料理やペルーのセビーチェのような、世界的に親しまれている料理とも相性が抜群です。ヴィンテージや海の香りを感じさせる食材、塩味、シーフードや貝類とも見事に調和します。そのすべてが、この日本酒が持つエネルギーと鮮やかな爽快感の中に表れています。
このような日本酒の存在は、人々をつなぎ、日本酒という飲み物を通じて世界をひとつにする力を持っています。まさにこれは、Kura Master が伝えたいメッセージそのもので、2025年のプレジデント賞にふさわしい銘酒です。」
日本酒コンクール審査委員長 Xavier Thuizat
奄美大島酒造株式会社「浜千鳥乃詩 ゴールド」の評価コメント
「このお酒は、まず香り立つブーケで人を魅了します。焦がし砂糖や熟した果実の香りが黒糖の爽やかさ、花やスパイスのニュアンスと見事に調和し、口に含むと豊かで温かみのあるボディが広がります。さらに、木の香りと絹のようなテクスチャーが後味を支えています。
この受賞により、私たちは単に優れたスピリッツを讃えるだけでなく、鹿児島県奄美諸島の文化そのものを称えることになります。この賞は、自然豊かな地元の風土と山の清水にインスピレーションを得て、黒糖焼酎の技を極める蒸留所の努力を認めるものです。
今回の受賞が、奄美大島酒造をはじめとする生産者の皆さまにとって、さらなる卓越性の追求と、世界にその豊かな伝統を伝える励みとなることを願っております。」
本格焼酎・泡盛コンクール審査委員長 Christophe Davoine
下川眞樹太 駐フランス日本国特命全権大使 ご挨拶(抜粋)
まず、本日の授賞式の開催に向けたKura Master関係者の皆様のご尽力に心から敬意を表します。
本年は、日本酒部門、本格焼酎・泡盛部門、梅酒部門に加え、ワイン部門を新設しました。それぞれの部門、及び、アリアンスガストロノミー賞において授賞された蔵元の皆様に賛辞を述べさせて頂きます。また、Kura Masterでの受賞は、他ならぬフランスを中心に各地から集まった一流のソムリエに認められたということであり、その認知度の向上に強力な後押しをするものです。審査員の皆様のご貢献にも心服いたします。
最近のフランスでは、嗜好の多様化などを背景に、地元ワインの消費量が減少していると聞きます。逆に言えば、このフランスの地で、日本のお酒を広める機運が高まっているとも考えられます。
例として、日本酒と焼酎の良さをご紹介しましょう。フランスではワイングラスに鼻を近づけてその香りを楽しむ「香りの文化」がありますが、日本酒にも、米と麹の発酵から生まれる吟醸香と呼ばれる繊細で華やかな香りがあります。また、日本酒は、保存料が使われていない「ナチュラル」な飲み物として評価されております。焼酎は、甘味・旨味を多く含みますが糖質は0%です。
こうした日本のお酒の良さが、Kura Masterの取組と皆様の日々のご尽力を通じて、フランスのみならず世界に認知されていくことを期待してやみません。私としても、日本文化の振興に引き続き力添えをできれば、嬉しく思います。
加納雄大 ユネスコ日本国政府代表部特命全権大使 ご挨拶(抜粋)
歴史と伝統を誇り、我が国の食文化の中でも重要な位置を占める日本酒、梅酒、焼酎、泡盛が、日仏両国の文化の橋渡しをしていることをたいへん嬉しく思っております。
また、今回からワインコンクールが加わり、Kura Masterコンクールにさらに新たな広がりが生まれたことを歓迎いたします。
ユネスコでは、2003年に、当時の松浦晃一郎ユネスコ事務局長の下で無形文化遺産保護条約が採択され、本条約に基づいて無形文化遺産の保護に取り組んでいます。
昨年12月に、アスンシオン(パラグアイ)にて、本条約の政府間委員会の会合が開催され、我が国の提出案件「伝統的酒造り」が無形文化遺産代表一覧表に記載されました。
今般の記載を好機とし、日本産酒類の魅力をさらに世界中に発信していきたいと思います。
なお、無形文化遺産ですので、厳密に言うとお酒という成果物ではなく、酒造りの一連の過程に携わる皆様が誇る伝統的な技術の価値が認められたということになります。そういう意味において、酒蔵の皆様ご自身が遠路はるばるフランスまで足を運んでいただき、当地の業界関係者と直接交流されることは非常に意義深いことだと思っております。
本日の授賞式を機に、フランスさらには世界中における日本酒、梅酒、焼酎、泡盛、国産ワインのいっそうの振興が図られるとともに、日仏両国の文化的な交流がさらに促進されることを祈りたいと思います。
参考情報
- MOF(Meilleurs Ouvriers de Franceの略で国家最優秀職人章を指す。)とは
フランス文化の最も優れた継承者たるにふさわしい高度な技術を持つ職人に授与される賞。現在では、対象となる職種は料理、製菓、パン以外にも、宝飾品、工芸品、ガーデニングなど幅広く、フランス人の Art de Vivre(生活芸術)の精神にふさわしく、その数は約180職種に及ぶ。一番有名なのは「料理」であり、これまでにもポール・ボキューズ、ジョエル・ロブションら多数の有名料理人が名を連ねている。




