1月27日(月)-在日フランス大使館訪問後、石川県へ-
1月28日(火)-石川県にて①-
1月29日(水)-石川県にて②-
1月30日(木)-岐阜県にて①-
1月31日(金)-岐阜県にて②-
2月1日(土)-鹿児島にて①-
2月2日(日)−3日(月)-鹿児島にて②③-
2月4日(火)-サケスパークリングの研修①-
2月5日(水)-サケスパークリングの研修②-
-終わりに-
ツアー参加審査員一覧
訪問先一覧
酒文化研修旅行の目的について
1月27日から2月5日までの10日に渡り、第3回目となるKura Master審査員酒文化研修旅行を実施致しました。この研修では、審査員として公平、公正に日本酒審査が行えるよう日本酒について正しく学ぶこと、また、フランスにおいて影響力、発信力の強いソムリエたちが、自ら日本酒を正しく伝えていくことを目的として実施しています。
研修では、昨年の受賞蔵などを訪問して日本酒の造りを学んだり、地方の歴史や日本の食文化に造詣を深めるほか、セミナーなどの場では多くの飲食関係者、各県や団体の関係者、また一般の方々と交流を深めました。こういった経験と学習を通して、フランスでの啓蒙の一助となることを願っております。
1月27日(月) -在日フランス大使館訪問後、石川県へ-
今回のツアーは、東京・広尾にある在日フランス大使館にてローラン・ピック駐日フランス大使との面談から始まりました。グザビエ・チュイザ審査委員長から、今後のフランスでのKura Masterの展望や日本酒業界への貢献と発展などが語られ、大使の暖かい歓迎の元で有意義な話し合いの場を設けることができました。
その後、一行は石川県・金沢へ。初日の夜は食事を楽しみながら、グザビエ氏が過去実施した本ツアーの体験を元に「明日から学ぶことが、ソムリエとしての仕事に今後どれほど役立つか」を伝えました。世界ソムリエコンクール2位でMOFの称号を持つダヴィッド・ビロー氏は、発酵酒である日本酒の製造法と発酵食品との共通性にとても興味があると語り、シャンパーニュ地方で25年のキャリアを持つフィリップ・ジャメス氏は、発泡が日本酒の糖度感を抑えることから、サケスパークリングの食中酒としての可能性を楽しみにしている、など皆それぞれの目的を抱えての日本訪問であることを熱く語り合いました。宮川運営委員長による、日本酒の歴史についてのレクチャーを楽しみながら、明日から始まる蔵元訪問や各地で行われるセミナーに大きな期待を寄せて長旅の初日を締め括りました。


1月28日(火)-石川県にて①-
石川県知事・谷本正憲氏を訪問。昨年パリで締結した石川県とKura Masterとの協定の話題等を振り返りながら、知事からの励ましの言葉と合わせて、県から全員に九谷焼とガラスを合わせた酒器が贈呈されました。その後「ヤマト醤油味噌」を訪問し、発酵食文化の魅力を体験。移動の車内でもガイドの指導の元、石川県の文化や酒の勉強に興じます。
能登での昼食では、Kura Master2019プラチナ賞を受賞した「数馬酒造」の日本酒とのペアリングランチでした。この地は日本で三大いか漁港として知られており、いかとの相性をコンセプトにした「竹葉 いか純米」や、精米時の米粉や地元の水で育った、能登牛との相性が考えられた資源循環酒「能登牛純米」を堪能、その後、蔵を訪問致しました。
この日の夜は、金沢城に隣接する「ジャルダンポール・ボキューズ」にて、石川県の日本酒とフランス料理の特別夕食会が催されました。会場では6種の日本酒と6種の料理が提供されてペアリング。山廃の日本酒とフランス料理の相性の素晴らしさなどがソムリエから語られ、初日から大変盛り上がった夜になりました。




1月29日(水)-石川県にて②-
Kura Master2019純米酒部門Top5に輝いた「車多酒造」を訪問。日本酒の伝統的な造りの代表である山廃造りですが、今では日本酒全体の7~8%と僅かです。しかしながら車多酒造では生産酒の7割が山廃造り。仕込みからの日数別の酒母を試食するなど、山廃造りの醍醐味を味わう貴重な体験になりました。
その後、白山山麓の杉の森に囲まれた「小堀酒造店」を訪問。2005年に日本初の地理的表示「GI(※)」第一号である「白山」を表記することのできる数少ない1社であり、Kura Master2019の金賞受賞蔵元です。今回の訪問テーマは酒米違いの日本酒を知ること。兵庫県産山田錦、石川産五百万石、石川門、北陸12号、それぞれの米で作られた日本酒を試飲して学びました。
最後は県下最大の生産数を誇る「福光屋」を訪問。こちらも2019年の金賞受賞蔵元です。麹や熟成温度の違い、有機栽培米の日本酒など、異なる酒質のテイスティングに熱が入りました。
その後、約100名が参加する合同試飲セミナーが開催されました。石川県内8社の蔵元が自身の日本酒を説明、ソムリエがコメントをすると質疑応答が飛び交います。フランスや欧州の食中酒として日本酒が評価されるためのアドバイスや意見に会場の参加者からは驚きと感心の声が上がりました。
※GI:Geographical Indication(地理的表示)の略。農林水産物・食品等の名称であって、その名称から当該産品の産地を特定でき、産品の品質等の確立した特性が当該産地と結びついているということを特定できるもの。地理的表示として登録が認められた産品には、地理的表示と併せて登録標章(GIマーク)を付すことができる。








1月30日(木)-岐阜県にて①-
石川県訪問最終日は兼六園と金沢城を訪問の後、岐阜県・飛騨高山に移動。車窓の風景は白川郷から、藁葺き屋根の家に変わります。タイムスリップしたような田園風景に、ソムリエたちからは感嘆の声が上がりました。
早速、Kura Master2019プラチナ賞受賞蔵である「舩坂酒造店」へ。日本酒が出来上がった後の貯蔵から輸送体制までを考えた酒造りについての詳しい説明を受けました。また、アルコール添加された日本酒の元来の理由、変遷、そして現在の課題をわかりやすく解説して頂きました。さらにフランスで人気が高い、柚子酒や梅酒の試飲も行われました。
2軒目は、船板酒造からほど近い場所に位置する、古酒専門の酒造りで定評のある「川尻酒造場」へ。岐阜を代表する酒造好適米「ひだほまれ」にこだわった熟成酒の奥深さ、食中酒としての可能性を発見。10種の古酒が提案され、ソムリエ達は日本酒の持つ秘めた力に圧巻されました。
この日の夜は、「本陣平野屋別館」の女将から真心のこもったおもてなしに、皆、旅の疲れを癒されました。




1月31日(金)-岐阜県にて②-
岐阜県八百津町の「山田商店」を訪問。Kura Master 2019 Top5(純米吟醸酒部門)の受賞のみならず、2017年以降毎年プラチナ賞を獲得している蔵元です。こちらでは自社精米機を有しており、精米済みの米を購入して始める酒造りと、玄米から自社精米する酒造りの違いとこだわりが説明されました。その後、木曽川に面した別宅にて、2タイプの比較を繰り返すという方法で日本酒を利き分ける能力を磨きました。
午後は岐阜市にて、ソムリエや酒販店を対象にしたイベントを開催。第一部は宮川運営委員長による海外戦略セミナー、第二部はソムリエによる合同試飲会として12種の日本酒を利き酒。プロのコメントを真剣に書き取る参加者の姿が印象的でした。グザビエ・チュイザ審査委員長から、岐阜県の日本酒の魅力を発見できた滞在に感謝する一方で、「テロワールをアピールすることが海外に向かうパスポートである」と力説。地元の米、水、酵母がその土地の風景を消費者に伝える食中酒になることを伝えました。さらに日本で活躍するソムリエには、ワインだけでなく、この素晴らしい食中酒である日本酒とのペアリングを考えていくことを訴えました。




2月1日(土)-鹿児島にて①-
金沢と岐阜での研修を終えて、一行は九州地方へ移動。九州では、近年日本人に人気のある焼酎についても学びました。
この日は鹿児島県の「濱田酒造」を訪問。濱田酒造は明治時代より続く手造りの焼酎蔵として知られています。こちらでは、かつて金鉱として使われていた金山の奥深くに、焼酎の貯蔵蔵を保有しています。トロッコ電車に乗って奥深い山の中へ移動します。貯蔵庫の中は年間を通して気温が一定で、焼酎の貯蔵・熟成にとてもよい環境。ここに甕仕込みと甕貯蔵の蔵を構え、明治以前の焼酎づくりをコンセプトに、女性杜氏による焼酎づくりを行っています。世界でも例にない熟成環境を見学した後、訪問の思い出としてソムリエ全員が貯蔵甕にサインを。その後、黄麹、黒麹で造られた焼酎の比較試飲などを通して味わいを学びました。






2月2日(日)−3日(月)-鹿児島にて②③-
この日はフェリーに乗り、鹿児島湾に浮かぶ活火山の島、桜島へ。「農業法人 八千代伝酒造」八木社長とサツマイモ畑の前で合流。こちらでは自社農園を有し、芋焼酎の主原料であるサツマイモの自社栽培に取り組んでいます。八木社長の畑作業とサツマイモ作りへの思いをお聞きし、その後、猿ヶ城渓谷蒸溜所へ向かいます。ここでは特許を取得している吊るし芋方式を学び、焼酎の試飲を行いました。農業から醸造まで一連の工程に取り組み、鹿児島県の自然環境に適するサツマイモ作りから生み出される芋焼酎の未来に、皆大変興味を持ち真剣に学んでいました。
その後、鹿児島市内で宮川運営委員長による焼酎セミナーを開催。50本の九州地方の焼酎を対象にした合同試飲会が行われました。各ソムリエは、タイプ別に割り当てられた焼酎10本を試飲し、テイスティングシートを記入。コメントの発表や生産者からの質疑応答も飛び交い、密度の濃い交流の場が広がりました。






2月4日(火)-サケスパークリングの研修①-
本ツアーのオプション企画であったサケスパークリングの研修については、ソムリエ全員が参加を希望するという意欲の高さも見られ、一般社団法人Awa酒協会にご協力頂き、協会加盟蔵3蔵を訪問させて頂きました。
最初の訪問先は、埼玉県深谷市にある「滝澤酒造」。Kura Master2019スパークリングスタンダード部門にて2本の金賞を受賞しています。レンガ造りの煙突や麹室がとても歴史を感じる印象的な蔵。特許を取得したその製法などについて、社長自らから説明を頂きました。滝澤酒造ならではのロゼのサケスパークリングには、皆とても興味を示し、驚きの声が上がっていました。
その後、群馬県へ移動し川場村に位置する「永井酒造」へ。こちらもスパークリングスタンダード部門の金賞受賞蔵です。2008年、2009年のヴィンテージや、川場村特産の米「雪ほたか」を原料にしたものなど、貴重な4種類のサケスパークリングを試飲。こだわりの製法やそのクオリティの高さにソムリエたちの関心はさらに高まるばかりの一日となりました。






2月5日(水)-サケスパークリングの研修②-
研修最終日となるこの日は山梨県北杜市の「山梨銘醸」へ。こちらはKura Master2019スパークリングソフト部門でプラチナ賞を受賞されました。日本酒「七賢」の名前で名高いこの蔵は、明治天皇が山梨をご訪問された際にご宿泊の場とされたことでも大変よく知られています。
醸造責任者の北原氏に蔵の中をご案内頂き、酒造り、そして自然豊かな白州というこの地の水の素晴らしさなどをご説明頂きました。
その後、敷地内にあるレストランで、7種類のサケスパークリングのペアリングランチを。豊かな土壌で育まれた地元の米や旬の野菜を使った和食と、白州の水で作られた日本酒との相性をじっくりと味わう時間。世界の乾杯酒として名だたるシャンパンを生んだフランスで、日本酒市場をさらに拡大させる起爆剤になり得る、ピュアでエレガントな酒質だと、多くのソムリエが高く評価しました。




-終わりに-
第3回Kura Master酒文化研修旅行開催にあたり多くの皆様にご尽力頂きましたこと、Kura Master運営委員、審査員一同より心からの感謝の意を申し上げます。日本での学び、日本酒の素晴らしさをフランスに伝え、さらなるフランスでの日本酒市場拡大に繋げていくことを目指し邁進してまいります。


Photo: Jean Bernard
■ツアー参加審査員一覧
Xavier THUIZAT | Kura Master 審査委員長/5つ星ホテルクリヨン シェフ・ソムリエ |
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David BIRAUD | 5つ星Hotel Mandarin Parisシェフ・ソムリエ /MOF(国家最優秀職人章)受賞 |
Philippe TROUSSARD | Les Caudalies オーナーソムリエ/MOF(国家最優秀職人章)受賞 |
Philippe JAMESSE | コンサルタント会社フィリップ・ジャメス代表/2つ星レストラン ドメーヌ・レクレイエールの元シェフ・ソムリエ |
Amandine PASTOUREL | 1つ星レストラン La Dame de Pic シェフ・ソムリエ |
Florence COIFFARD | Sarl CLEONIE Papilles & Pupilles 創設者・支配人 |
Jean BERNARD | ジャーナリスト。フランスのソムリエに最も購読されているTerre de Vinsのメインライター |
■訪問先一覧(敬称略)
東京都:在日フランス大使館
石川県:ヤマト醤油味噌、数馬酒造、車多酒造、小堀酒造店、福光屋
岐阜県:船坂酒造店、川尻酒造場、山田商店
鹿児島県:濱田酒造、八千代伝酒造
埼玉県:滝澤酒造
群馬県:永井酒造
山梨県:山梨銘醸
第1章:旅の目的について
第2章:蔵元訪問について
第3章:審査員たちによるセミナー実施について
第4章:「第3回Kura Master日本酒コンクール」募集要項の記者発表と一般試飲会について
最終章
Appendix
序章
2019年1月14日から21日の間、Kura Master審査員のフランス人ソムリエら6名が訪日。酒造り最盛期の蔵元に訪問し、日本酒醸造の現場で酒造りを学び、各地の日本酒関係者と交流を深めるための8日間に渡る長く濃厚なツアーを行いました。この8日間で一都四県を縦断し、8軒の蔵元を訪問、多数のイベントやセミナーへ参加。蔵元はもちろんのこと、日本酒やワインの関係者、各県や団体関係者、そして多くの一般の方々との交流を通じ、日本酒と日本文化について学び、またソムリエとしてのKura Master審査員の知識や日本酒への想いを伝えることで、日仏交流に大きく貢献する旅となりました。
第1章:旅の目的について
2019年5月に行われる、第3回 Kura Master日本酒コンクール開催にあたり、Kura Master運営委員会は、審査員としてコンクールに参加するフランスソムリエらに対して、日本酒についてさらに精度の高い公平な審査を求めています。そして、正しい情報を発信してもらう必要があるため、審査員に求められる知識やスキル向上を目指した日本への研修ツアーが計画されました。
ワイン造りと同様に、日本酒造りを行っている土地の風土、米、水、建物の歴史などに触れることで、より一層深まる日本酒への理解と、日本酒に関わる人々との交流から生まれる発見や可能性。そして、Kura Masterが「フランス人によるフランス人のための日本酒コンクール」として、今後も継続していくための安定した基盤作りを審査員へ意識付け、鼓舞する意味もこめて、昨年に引き続き、今年も選抜されたトップソムリエを対象に研修旅行を実施致しました。
第2章:蔵元訪問について
2017年、2018年のKura Master受賞蔵をメインに訪問。参加する審査員には訪日中多岐に渡るミッションがあり、その中の一つ「日本酒の造りを正しく学ぶ」ことについて、8蔵の訪問で得た経験は、彼らにとって日本酒造りに対する知識の大きなステップアップに繋がりました。
洗米から搾りまで、一連の酒造りの工程を自身の目で見て、頭で学ぶだけではなく、蔵での実体験により得るものはとても大きかったようです。広島県の三宅本店では、大きなタンクに梯子で登り、お酒の櫂入れを。大分県の八鹿酒造では、炊きたての掛米をタンクに運び入れる作業などを体験させて頂きました。
さらに各蔵独自での地域性や伝統を生かした、日本酒以外のお酒(リキュール、ビール、焼酎など)や発酵食品についても知ることが出来、日本酒にとどまらず、それらを総合的に生かした日本食文化の可能性は、ソムリエたちの感性を引き金に、今後フランスで大きく引き出されることとなるでしょう。
また審査員からの積極的なアドバイスも、今回交流した蔵元、各関係者、団体の皆様にとって、よりよい発展と刺激になることを願っております。
※訪問蔵元については後述。
第3章:審査員たちによるセミナー実施について
多くの方のサポートのおかげで、各地でセミナーやイベントを開催。活発な意見交換と情報発信、交流の場を持つことができたことも、Kura Masterの継続に向けて大きな収穫となりました。セミナーでは、「フランスから見たワインと日本酒」「酒米の王様、山田錦」「フランスでの日本酒市場について」など様々なテーマを掲げて。蔵見学と同様、審査員が得た知識は今後Kura Masterで公平な審査を行うのに有効な糧となるでしょう。
また、海外市場へ興味のある日本酒業界の方や、インバウンドを進める地方自治体の方々にとっては、外国人への日本酒の勧め方や表現、フランス人トップソムリエである審査員たちがどんなお酒を好むのか?ということが聞きたいポイント。フランスでの日本酒市場の動向や、実際に試飲をしながらフランス人がどのような食事とあわせたいと感じるか、またサービスする温度のアドバイスなど、闊達な意見交換をしながらの交流となりました。
「ワイン文化のフランスに日本酒を輸出して、日本酒はワインに勝つことができるか?」という質問には、全員のソムリエから「日本酒はワインとは別の文化を持つ素晴らしい食中酒としての地位を築き、ワインと戦うのではなく共存するでしょう。日本がフランスワインをたくさん輸入しているように、ソムリエ達も日本酒の輸出を応援してお返ししたい。」といったコメントがあがりました。
第4章:「第3回Kura Master日本酒コンクール」募集要項の記者発表と一般試飲会について
旅の最終日は、東京・飯田橋のアンスティチュ・フランセにて、第3回Kura Master日本酒コンクールの募集要項について記者発表を開催しました。今年は、スパークリング日本酒部門が新設され、その注目度の高さ故、多くの記者の方にお越しいただきました。awa酒協会理事長であり、永井酒造代表取締役である永井則吉氏をお迎えし、お話しをいただきました。
また、その後行われた試飲会には一般の方や、日本酒業界でご活躍される多くの方々にご参集いただき、200名以上のKura Masterファンに、審査員との交流の場をお楽しみいただきました。
冒頭では、元ユネスコ日本政府代表部大使である門司健次郎氏、東京国税庁課税部酒税課杉山真氏からの乾杯のご発声とご挨拶を。会の終わりでは、審査員らによるフランス・ブルゴーニュ伝統の葡萄の収穫を祝う歌と踊りが振る舞われ、会場のお客様も一体となり大変な盛り上がりを見せての閉幕となりました。
最終章
記者発表が行われた1月21日を皮切りに約1ヶ月、2月28日までのエントリー期間を経て、5月に審査会、7月に授賞式がフランス・パリで開催されることとなります。昨年は650銘柄の応募がありましたが今年はさらに多くのエントリーが見込まれています。
8日間の訪日ツアーで審査員が得た経験が、Kura Masterならず、日本酒業界の発展に寄与することを心から願っております。







Appendix
■ツアー参加審査員一覧
Xavier THUIZAT | Kura Master 審査委員長/ホテルクリヨン シェフ・ソムリエ |
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Eric GOETTELMANN | ベルナール・ロワゾー エグゼクティブシェフソムリエ/MOF(国家最優秀職人章)受賞 |
Bernard NEVEU | ホテル ルブリストルパリ ディレクターソムリエ |
Baptiste GAUTHIER | レストラン ピック シェフソムリエ |
Kevin LEMONNIER | デュカス・シュール・ラ・セーヌ シェフソムリエ |
Sofia LAFAYE | ジャーナリスト(ソムリエインターナショナル) |
■訪問蔵元一覧(敬称略)
和歌山県:平和酒造、中野BC、九重雑賀
兵庫県:菊正宗樽酒マイスターファクトリー、田中酒造場
広島県:三宅本店
大分県:八鹿酒造、中野酒造
- 研修旅行の目的
- 研修旅行参加審査員・ジャーナリスト
- 研修旅行スケジュール
- 1/16(火) 合資会社基山商店様
- 1/16(火) アリタポーセリンラボ様
- 1/16(火) 佐賀県主催で料亭にて懐石料理を味わう
- 1/17(水) 天山酒造様
- 1/18(木) 花の香酒造様
- 1/19(金) 記者発表 於青山リーデル
- 1/19(金) Kura Master プレミアム受賞酒を味わう会
- 研修旅行 総括
- スポンサー
研修旅行の目的
第2回 Kura Master を開催するにあたって、審査員に対してさらに精度の高い、公平な審査を求めています。
そのために、日本酒を生み出した地域、酒文化、製造方法、蔵元様の哲学と技術を現地で学んでいただくことは、重要な研修課題と認識しています。
一方で、フランス人のトップ・ソムリエが、蔵元さんを訪問し、地方のお酒と食文化を堪能、満足している模様をメディアやソーシャルネットワークを通じて露出し、地元の観光PRに貢献していきたいと考えております。
酒文化の啓蒙と酒蔵ツーリズムのPRは、酒蔵ツーリズム振興協議会に属する Kura Master コンクールの活動目的の一つでもあります。
研修旅行参加審査員・ジャーナリスト
Mr. Pierre Many | Kura Master 審査副委員長、ソムリエ指導者 |
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Ms. Paz Levinson | ソムリエ世界コンクール第4位保持者、1つ星レストラン Virtus (ヴィルトゥス)シェフソムリエ |
Mr. Matthias Maynard | シャングリラホテル シェフソムリエ |
Ms. Julia Scavo | ヨーロッパ最優秀ソムリエコンクール第3位保持者 |
Mr. Lionel Scheneider | リッツホテル ソムリエ |
Miss. Marion Flipo | 2017年度女性スタートアップ起業家受賞デジタルジャーナリスト |
研修旅行スケジュール
- 1/16 研修1日目
-
(午前)
基山酒造見学・研修(午後)
有田ポーセリンラボ
見学・体験(夜)
佐賀県主催で料亭に
て懐石料理
- 1/17 研修2日目
-
(午前)
天山酒造見学・研修(午後)
佐賀県知事訪問
観光(夜)
嬉野温泉旅館
- 1/18 研修3日目
-
(午前)
熊本県観光(午後)
花の香酒造見学・
研修(夜)
平山温泉旅館
- 1/19 研修4日目
-
(午前)
東京移動(午後)
Kura Master 記者発表
於青山リーデル(夜)
Kura Master プレミアム受賞酒を味わう会
1/16(火) 合資会社基山商店様
研修1日目に、第1回 Kura Master でプラチナ賞を受賞した「基峰鶴」を造る佐賀県の合資会社基山商店様の酒造見学、研修を行いました。
霊峰、雄町、山田錦など米の品種による日本酒の味わいの違いを学びました。
1/16(火) アリタポーセリンラボ様
1日目の午後には創業200年以上の歴史を誇るアリタポーセリンラボにて、有田焼の見学を行いました。
日本の伝統文化にふれ、実際に絵づけ体験も行い、日本が誇る職人文化を肌で感じることができました。
1/16(火) 佐賀県主催で料亭にて懐石料理を味わう
1日目の夜には、佐賀県主催で料亭にて佐賀県特産品の懐石料理と佐賀県産日本酒のアバンチュールを味わいました。
1/17(水) 天山酒造様
2日目には第1回 Kura Master で最高賞であるプレジデント賞を受賞した「七田 純米吟醸 雄町50」を作る、佐賀県の天山酒造様の酒造見学・研修を行いました。
麹、水や酵母が日本酒に与える影響について主に学び、実際に麹菌をふりかける作業をするなど、肌で感じて学びました。
1/18(木) 花の香酒造様
研修3日目には、第1回 Kura Master で審査員特別賞を受賞した「花の香 桜花」
を作る、熊本県の花の香酒造様にて酒造見学・研修を行いました。
実際に作業の体験をし、できたての生酒と火入れ後のお酒と飲み比べをし、その違いを学びました。
1/19(金) 記者発表 於青山リーデル
リーデル青山本店にてリーデル・ジャパンのアンギャル社長同席のもと、第2回 Kura Master の記者発表を行いました。
そして同時にこの日よりエントリーが開始され、
Kura Master のスタートが切られました。
1/19(金) Kura Master プレミアム受賞酒を味わう会
第1回 Kura Master 2017 受賞酒のプレミアム試飲会が株式会社パソナTRAVEL HUB MIX にて行われました。
フランスの歴史的食文化《飲み物と食のマリアージュ》を体感してもらうため、フランス産チーズやフレンチレストラン特製のプチフールを用意し、受賞酒とのマリアージュを参加者皆さんに楽しんでもらいました。
研修旅行 総括
今回の研修を通して、蔵元様とのコミュニケーションや実際に酒造りの体験をして、より日本酒についての知識や文化、蔵元様の哲学や技術を肌で感じて学ぶことができました。
また、審査員の方々からはたくさんの質問が飛び交い、日本酒についての興味をより駆り立て、日本酒のアンバサダーとして日本酒の拡大に貢献したい、という申し出も受けました。
そういった日本酒への理解、興味がフランスに帰ってさらに広まり、これからのフランス、ひいてはヨーロッパへの日本酒の普及が進んでいくものだと、この研修旅行を通じ確信いたしました。
一週間という短い期間でしたが当初の目標を達成することができました。
今回の研修旅行に支援・協力してくださった皆様に心から感謝を申し上げます。