第2回 Kura Master 審査員酒文化研修旅行

序章

2019年1月14日から21日の間、Kura Master審査員のフランス人ソムリエら6名が訪日。酒造り最盛期の蔵元に訪問し、日本酒醸造の現場で酒造りを学び、各地の日本酒関係者と交流を深めるための8日間に渡る長く濃厚なツアーを行いました。この8日間で一都四県を縦断し、8軒の蔵元を訪問、多数のイベントやセミナーへ参加。蔵元はもちろんのこと、日本酒やワインの関係者、各県や団体関係者、そして多くの一般の方々との交流を通じ、日本酒と日本文化について学び、またソムリエとしてのKura Master審査員の知識や日本酒への想いを伝えることで、日仏交流に大きく貢献する旅となりました。

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第1章:旅の目的について

2019年5月に行われる、第3回 Kura Master日本酒コンクール開催にあたり、Kura Master運営委員会は、審査員としてコンクールに参加するフランスソムリエらに対して、日本酒についてさらに精度の高い公平な審査を求めています。そして、正しい情報を発信してもらう必要があるため、審査員に求められる知識やスキル向上を目指した日本への研修ツアーが計画されました。
ワイン造りと同様に、日本酒造りを行っている土地の風土、米、水、建物の歴史などに触れることで、より一層深まる日本酒への理解と、日本酒に関わる人々との交流から生まれる発見や可能性。そして、Kura Masterが「フランス人によるフランス人のための日本酒コンクール」として、今後も継続していくための安定した基盤作りを審査員へ意識付け、鼓舞する意味もこめて、昨年に引き続き、今年も選抜されたトップソムリエを対象に研修旅行を実施致しました。

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第2章:蔵元訪問について

2017年、2018年のKura Master受賞蔵をメインに訪問。参加する審査員には訪日中多岐に渡るミッションがあり、その中の一つ「日本酒の造りを正しく学ぶ」ことについて、8蔵の訪問で得た経験は、彼らにとって日本酒造りに対する知識の大きなステップアップに繋がりました。
洗米から搾りまで、一連の酒造りの工程を自身の目で見て、頭で学ぶだけではなく、蔵での実体験により得るものはとても大きかったようです。広島県の三宅本店では、大きなタンクに梯子で登り、お酒の櫂入れを。大分県の八鹿酒造では、炊きたての掛米をタンクに運び入れる作業などを体験させて頂きました。

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さらに各蔵独自での地域性や伝統を生かした、日本酒以外のお酒(リキュール、ビール、焼酎など)や発酵食品についても知ることが出来、日本酒にとどまらず、それらを総合的に生かした日本食文化の可能性は、ソムリエたちの感性を引き金に、今後フランスで大きく引き出されることとなるでしょう。
また審査員からの積極的なアドバイスも、今回交流した蔵元、各関係者、団体の皆様にとって、よりよい発展と刺激になることを願っております。
※訪問蔵元については後述

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第3章:審査員たちによるセミナー実施について

多くの方のサポートのおかげで、各地でセミナーやイベントを開催。活発な意見交換と情報発信、交流の場を持つことができたことも、Kura Masterの継続に向けて大きな収穫となりました。セミナーでは、「フランスから見たワインと日本酒」「酒米の王様、山田錦」「フランスでの日本酒市場について」など様々なテーマを掲げて。蔵見学と同様、審査員が得た知識は今後Kura Masterで公平な審査を行うのに有効な糧となるでしょう。
また、海外市場へ興味のある日本酒業界の方や、インバウンドを進める地方自治体の方々にとっては、外国人への日本酒の勧め方や表現、フランス人トップソムリエである審査員たちがどんなお酒を好むのか?ということが聞きたいポイント。フランスでの日本酒市場の動向や、実際に試飲をしながらフランス人がどのような食事とあわせたいと感じるか、またサービスする温度のアドバイスなど、闊達な意見交換をしながらの交流となりました。
「ワイン文化のフランスに日本酒を輸出して、日本酒はワインに勝つことができるか?」という質問には、全員のソムリエから「日本酒はワインとは別の文化を持つ素晴らしい食中酒としての地位を築き、ワインと戦うのではなく共存するでしょう。日本がフランスワインをたくさん輸入しているように、ソムリエ達も日本酒の輸出を応援してお返ししたい。」といったコメントがあがりました。

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第4章:「第3回Kura Master日本酒コンクール」募集要項の記者発表と一般試飲会について

旅の最終日は、東京・飯田橋のアンスティチュ・フランセにて、第3回Kura Master日本酒コンクールの募集要項について記者発表を開催しました。今年は、スパークリング日本酒部門が新設され、その注目度の高さ故、多くの記者の方にお越しいただきました。awa酒協会理事長であり、永井酒造代表取締役である永井則吉氏をお迎えし、お話しをいただきました。
また、その後行われた試飲会には一般の方や、日本酒業界でご活躍される多くの方々にご参集いただき、200名以上のKura Masterファンに、審査員との交流の場をお楽しみいただきました。
冒頭では、元ユネスコ日本政府代表部大使である門司健次郎氏、東京国税庁課税部酒税課杉山真氏からの乾杯のご発声とご挨拶を。会の終わりでは、審査員らによるフランス・ブルゴーニュ伝統の葡萄の収穫を祝う歌と踊りが振る舞われ、会場のお客様も一体となり大変な盛り上がりを見せての閉幕となりました。

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最終章

記者発表が行われた1月21日を皮切りに約1ヶ月、2月28日までのエントリー期間を経て、5月に審査会、7月に授賞式がフランス・パリで開催されることとなります。昨年は650銘柄の応募がありましたが今年はさらに多くのエントリーが見込まれています。
8日間の訪日ツアーで審査員が得た経験が、Kura Masterならず、日本酒業界の発展に寄与することを心から願っております。

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Appendix

■ツアー参加審査員一覧

Xavier THUIZAT(グザビエ・チュイザ) Kura Master 審査委員長/ホテルクリヨン シェフ・ソムリエ
Eric GOETTELMANN(エリック・ゴトルマン) ベルナール・ロワゾー エグゼクティブシェフソムリエ/MOF(国家最優秀職人章)受賞
Bernard NEVEU(ベルナール・ヌヴ) ホテル ルブリストルパリ ディレクターソムリエ
Baptiste GAUTHIER(バティスト・ゴチエ) レストラン ピック シェフソムリエ
Kevin LEMONNIER(ケヴィン・ルモニエ) デュカス・シュール・ラ・セーヌ シェフソムリエ
Sofia LAFAYE(ソフィア・ラファイ) ジャーナリスト(ソムリエインターナショナル)

■訪問蔵元一覧(敬称略)

和歌山県:平和酒造中野BC九重雑賀
兵庫県:菊正宗樽酒マイスターファクトリー田中酒造場
広島県:三宅本店
大分県:八鹿酒造中野酒造