KURA MASTERの開催に寄せて

2017年6月15日

この度、フランスで最初の日本酒コンクール KURA MASTERが開催の運びとなったことをお喜び申し上げます。過去2回フランスに勤務した者として、また、酒サムライとして、宮川圭一郎様、グザビエ・チュイザ様始め関係の皆様の多大な努力に敬意及び謝意を表明申し上げます。

美食の国フランスで、これまでこのような日本酒のコンクールがなかったことが不思議でなりません。私がUNESCO大使時代に、和食(「日本人の伝統的な食文化」)がUNESCOの無形文化遺産に登録されましたが、これは「フランスの美食術」の登録に続くものです。フランス料理には偉大なワインがあり、和食には日本酒があります。フランスの皆様は、和食と日本酒の魅力を最もよく理解していただける方々ではないでしょうか。

日本酒は日本の国酒であるにも拘わらず、日本国内での人気は長い間低迷していました。しかし、近年、若い世代の蔵元の台頭もあって、素晴らしいお酒が次々に登場し、ようやくその素晴らしさが再認識されるようになってきました。海外における日本酒の消費は日本酒低迷期間中も一貫して伸び続けており、過去10年間に日本からの輸出は倍増しています。今や、日本国内のみならず、世界に向かって日本酒の美味しさ、素晴らしさを発信すべき時期が到来したと信じております。

そのような時期に開催される今回の日本酒コンクールは、まさに時宜を得たものと言えるでしょう。このコンクールが、日本酒の美味しさ、多様性、更に料理との相性における融通性(versatility)をフランスの皆様に知っていただく上で大きな役割を果たされますことを強く期待し、その成功を心より祈念申し上げます。

駐カナダ日本国特命全権大使
酒サムライ 門司 健次郎